【TPS 7222】プロオーディオケーブルに求められる「触感性能」
音声を扱うオーディオケーブルを評価する際、基本的に「サウンドの良し悪し」についてのみ語られる事が多いのは、皆様もご承知だと思います。しかしプロオーディオ、特にステージを中心とした現場では、サウンドと同じ比率で「耐衝撃性」「扱いやすさ」がケーブル選定の重要なファクターとなります。
2019年のInterBeeでリリースされました弊社製品「TPS 7222」は、ステージを守る皆様のご意見を基に、「扱いやすさ」を中心とした「触感性能」に優れたデザインで製品化致しました。
今回はそのTPS 7222の開発経緯などをお伝え致します。
【TPS7222の開発経緯】
ステージでは毎回、膨大な量のケーブルを引き出し、そして巻き取る。
改めて考えると、一回のステージで扱うケーブルの量(合計の長さ)は、膨大です。
仮に一般的なキャパシティ300未満の会場において、20m×3、15m×4、10m×4、7m×10、5m×3という組み合わせで考えても、トータルでその長さは250メートルに近い量となります。この量を毎回、引き出してセッティングし、終演後には巻き取って収納します。ライブハウスでさえこの量ですから、アリーナや野外フェスなどの場合に使用されるケーブルの量は、とてつもないボリュームになります。さらにそのような大規模の会場では、タイムテーブルに余裕が無く、1分1秒でも短縮せざるをえないケースがほとんどです。
TPS 7222は、そのような現場が求める性能を形にするために、様々なポイントにフォーカスしながら製品化しました。
・TPS7222を新規導入しても違和感を感じない太さ
TPS 7222を新規で導入されても今まで同様に違和感を感じない様に、皆様がステージで使い慣れているケーブルと変わらない、6.1mmの直径にてデザイン致しました。
・TPS7222のスムーズな屈伸性がもたらす「巻き心地」
細い動体をたくさんの本数で構成する方が、屈伸性を確保する上では有利になります。しかしTPS 7222は伝送クオリティを上げる為に、既存製品より太い動体を少ない本数でツイストする導体の構造を採用しております。TPS7222の扱いやすさと音質のバランスをギリギリまで追い込む為、ケーブルを構成する導体以外のジャケットや糸や紙などの緩衝材も、様々なマテリアルを試しながらサンプル制作を繰り返しました。
その結果、既存製品を上回る巻きやすさ、クセの付き辛さ、巻き取る際の送り手への追従性などをTPS7222で得る事ができました。
安心感に繋がるTPS7222の「触り心地」
エンジニアとケーブルの出会いは、実は音を出す前に「触れること」から始まっております。皆様がTPS 7222を持った際に、「ああ、いい音がしそうだ。。。」とか「しっかり作られている気がする」と感じて頂けるように、外側ジャケットの触感や、全体の重量感にも配って製品化しました。
デジタル化が進んだ現代でも、プロオーディオの世界ではアナログ音声ケーブルは重要なインフラです。音質や価格だけでなく、このような「プロに必要な日常性能」をも重視したTPS 7222が、皆様のお役に立てることを願っております。